2018/06/01

器が小さいと思われるケチに子供が育たないよう親ができること




カメラ兄さんさんによる写真ACからの写真 



どんなに仕事ができても、ケチな人間は周囲の信頼を勝ち取れません。

ケチと節約は別であると言われるように、またウイルス騒動の最中、金銭的に苦労されているようなケースも別だと思いますが、普段の日常生活において、女性のケチはしっかり者とみなされるものの、男性のケチは大概嫌われます。

昔の話ですが、職場でこんなことがありました。

先輩と二人で外部に出掛け、用事が済んだあとのことでした。


「携帯持ってるよね?」

と私は聞かれたので、

「ええ」

と答えました。

すると先輩は、

「今から言う番号打ち込んでくれる?」

と続けました。

私が携帯を取り出すと、同じように先輩も携帯を取り出し、画面を操作しながらある番号を私に告げました。

私が入力し終えたことを伝えると、

「じゃあそこに掛けて、A部署のBさんを呼び出してくれる?」

と先輩は言い、それから、

「相手が出たら代わって」

と付け加えました。

「……?」


なぜこの人は自分でかけないのかと思いましたが、すぐその理由に思い至りました。

それは電話代を節約するためとしか考えられず、私はがっかりしてしまいました。

けちがなぜ好かれないかは、身銭を切らない人間とは、文字通りいざとなれば身を切らず、自分を守ることで仲間を裏切り、逃げる恐れがあるからでしょう。

よって、たとえポーズでも、気前よく仲間に振る舞うべきときがあるのかもしれません。

ちなみに、男性ホルモンであるテストステロンが多い人は、気前がいいそうです。

テストステロンが多い男性は、リスクを恐れないとの統計はよく知られていますので、「気前がいい=逃げない」との式は一応は成り立つのかもしれません。

私もその先輩ほどではありませんが、元来ケチな人間で、小さな頃そのことを父親に見抜かれ、そんな男にはなるなとたしなめられたものです。

しかし、性格とはなかなか変わらないもので、ときに気前よく奢ることはあるものの、その行為はどこかぎこちなく、また何やら見返りを期待しているのです。

田中角栄のように、嫌味なく自然に金を配り、相手にも心理的負担を掛けず、見返りすら期待しない大きな人間になるには、まだまだ修行が必要のようです。

では、子供がケチな人間に育たないように、親は何ができるのでしょうか?

骨の髄まで太っ腹で気宇壮大な人間というのは、後天的に育たないような気もしますが、少なくとも親が見本をみせることで、ケチくさい大人になることは阻止できるかもしれません。

ではここで親ができる行動を挙げてみます。


  • コンビニやネットで募金をする
  • 浮浪者やストリートパフォーマーにお金を恵む
  • ツイキャスやYouTube Liveで投げ銭機能を使い、実況者にお金を投じる
  • 神社やお寺のお賽銭を弾む
  • 24時間テレビの会場に行く
  • 国内のお店で心付けとして金品を渡す
  • 外国でチップを多目に弾む


ぐらいでしょうか。

この中でオーソドックスなものは、コンビニでの募金です。

では、子供と二人でコンビニに来たときのことを想定してみます。

何かの商品を選び、レジに持って行き、代金を支払います。

そして、お釣が返ってきます。

大抵は、ここで受け取った砂利銭(じゃりせん)を募金箱に入れるのが一般的ですが、小銭ではインパクトがありません。

深く子供の心に刻み込むには、気前よく千円札あたりをリリースするべきです。

ただし、


「お父さんは、いまから千円も寄付しちゃうんだぞ!」


のようなひけらかす態度では駄目です。

現金な子供のことですから、


「そんなことするならもっとお菓子買ってよ!」


と言われるのがオチです。

あくまでもさりげなく投入しなくてはなりません。

しかし、子供に気付かれなくては意味がありませんので、妙技が求められます。

また、自己満足に浸ったり、子供からの尊敬を求めたり、何らかの見返りも期待してはいけません。

いわば人類愛のような大きな心持ちで、何かの足しになればどうぞ、と入れてあげましょう。

募金詐欺もなんのその、お金が必要ならどうぞ、と寄付をしてあげましょう。

そんな後姿を見れば、きっと子供の心に届くはずで、将来度量の広い大人になれるかもしれません。

ただし、ケチにも利点はあります。

お金は着実に貯まりますし、安易に他人へお金を貸し、戻ってこないトラブルに巻き込まれることもないでしょう。また考えようによっては、仲間から嫌われることを恐れない孤高の人間であるとも言えます。

しかし、大概のケチは器が小さいと見なされ、仲間から好かれず、信頼を勝ち取ることができませんので、世間のお父さん方は、ときに気前よくお金を支払う姿を子供に見せ、他人に施すことの大切さと、それが巡り巡って自分に返ってくることを、節約と共に教えてあげましょう。

また、昨今異常に叫ばれている、生物学的特質を無視した男女平等が進んでいけば、女性のしっかり者もケチと呼ばれて嫌われる時代がくるかもしれませんので、娘を持つ親御さんも、気前よく奢ることを教えるべきなのかもしれません。



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