2017/04/05

初産夫婦におすすめの育児書「定本育児の百科」 優しく語りかけてくれる小児科医・松田道雄さん  




FineGraphicsさんによる写真ACからの写真 



育児に関する情報は幾つもあり、初めて子供を出産した場合、どれを頼ればいいのか迷ってしまうケースも多いと思います。

特に母親は、まだ体力が完全に回復していないときに育児という未知の世界に放り出されることになります。

海外では、英国王室のキャサリン妃が産後すぐに退院したように、出産に伴う入院期間が短い国も多いようで、平均して5、6日入院する日本はまだ恵まれているのかもしれませんが、核家族化や晩婚化で夫しか頼れない人も多い中、もう少し何か違った形でのサポートがあっても良いのではと思います。

そして、退院後に待ち受けているのは、体力勝負の日々です。

眠い目を擦りながら、意志疎通ができない小さな赤ちゃんに、おっかなびっくり母乳やミルクを与え、授乳が終われば、まだ据わらない首を抱えながらゲップを出さなければなりません。

すべてが手探りの中で、何かを頼りにしなければならず、まずは自分の母親になると思いますが、記憶が不確かだったり、また実母と義母の言うことが違ったりして、対応に困ることがあるかもしれません。

そんなとき頼りになるのは活字や動画であり、本やネットで情報を得ることになりますが、いざどれかを選ぼうとすると選択肢が多いことに気がつきます。

ネットには玉石混交の情報が溢れ、本は何種類も出版されています。


その中で一体どれを選べばよいかですが、私は小児科医の松田道雄氏が記した「定本育児の百科」をお薦めします。

この本は、1967年に初版が出され、改訂を重ねながら現在でも一定の支持を得ており、出産祝いなどに贈られることがある本です。

著者は読者へと愛情を持って語りかけてくれ、不安を払拭してくれます。

よく泣いて困らせる子もいれば、いつもぐっすり寝て楽にさせてくれる子もおり、赤ちゃんにはそれぞれの個性があり、普段赤ちゃんと一番接している親が、たまにしか問診しない医師よりも分かっているはずである、大丈夫心配しないで、と励ましてくれる、読者への眼差しがとても温かい本です。

感情的なもの以外にも、確固とした育児書でもあります。

月齢や年齢ごとに、育て方・症状・病気・危険度などが詳細に記されています。

また著者は役人として、また町の小児科医として母子に向き合ってこられ、執筆活動に専念するようになってからは世界中の小児科雑誌と医学週刊誌を参照し、また母親たちとの手紙のやり取りを通じ
本書に加筆訂正を加えてきました。

今となっては出版されたのが古いと思われる方がいるかもしれませんが、私自身は読んでいて違和感はありませんでしたし、100年後ならいざ知らず、当分は問題ないと個人的には思います。

そもそも、新しいことがすべて正しいとは限りません。

例えば、1980年代後半に日本で流行したうつぶせ寝は、アメリカ流の育児を真似たものであり、これが原因で赤ちゃんの死亡率が増加しました。

本書は離乳食の箇所が古くて参考にならないとの意見もあるようですが、それこそ個々の赤ちゃんによって違うものであり、著者も千差万別であると述べています。

もちろん病院・役所・母子手帳といった情報もそうですが、ネットや身近なママ友といった他の意見も、参照したり補完すればいいと思います。

ここまで本書の良いところを述べてきましたが、ただ一つ疑問に思った点はありました。それは、赤ちゃんを何時間も外に出すべきだという著者の主張です。

赤ちゃんの皮膚や気道の粘膜を鍛えるために正しいことだと思われますが、実際のところ、忙しかったり眠かったりして、なかなか時間が取れないのではないかと思います。

子育てにとって1番大事なことは、母親の気持ちが安定していることだと思いますので、何事も程々に、完璧を目指す必要はないのではと思います。

男の
私が言うのもなんですが、子育ては大変骨の折れる一大事業だと思いますし、未来の社会を形作っていく人を育てる大変意味のある行為だと思いますが、核家族となった現代には多くの問題が存在しています。

そのような中で、本書の項目に「父親になった人に」というものがあります。

毎年必ず起こる母親による子殺しは、多くは父親が支えていれば避けられると著者は述べています。

男性は、子供が産まれても親としての実感がなかなか湧かず、私自身のことを振り返ると、妻を顧みず自分勝手な行動をしたり、サポートも足りなかったと謝りたいことが多々あるのですが、今は核家族時代であり、夫しか頼れない妻も多いと思いますので、これから父親になる男性は決して母親を孤立させず、積極的に育児に参加してほしいと思います。

本記事のタイトルは、初産夫婦へのお薦めとしていますが、二人目でも三人目でも、お孫さんのためでも大変重宝する育児書だと思います。


紹介図書


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