2021/04/07

起業してからの一年を振り返って





ちょうど一年前に、法務局で法人登記の申請をした。

申請が延び延びとなってしまったが、今日のこの日で良かったと思った。

なぜならその日が、住んでいる街の、小学校の入学式だったからだ。

ピカピカのランドセルを背負う、初々しい子供たちを見て、この日で良かったと思った。

俺は、こういう子供たちのために会社を立ち上げるのだ、決して綺麗事ではなく、そう思った。

ママチャリを漕ぎながら、恵比寿を抜け、代官山を通り過ぎ、途中で立ち漕ぎをしつつ、渋谷へと到着した。

煩雑な手続きを終え、さあこれからだ、と希望に胸を膨らませたかといえば、そうでもなかった。

やることは山積みで、そもそも俺は、遅れてやってきたロートル起業家だ。

ママチャリには電動が備わり、後ろには子供乗せが付いている。

若いハツラツとした起業家とは訳が違う。

それでもこの道を選んだのだ。

偶然か必然か、それは分からない。ただ、新たな道を歩み始めたのだ。

今日、これまでの一年を振り返ってみると、トラブルもあったが、少しは人間として、成長できたのかもしれない、今は従業員もいないが、社長として成長できたのかもしれない、とも思う。

今日もまた、一年前と同じように、ピカピカのランドセルを背負った新一年生を見かけた。

校門の前に立ち、カメラに収まる子供たちを見て、一年前の、俺自身の気持ちと再び向き合った。


桜はもう散った。時間は戻らない。


ただ、少年時代の俺自身に、新たな道を歩み始めていることだけは伝えたい。


「白雲や ところで俺の桶狭間 いつになったら 訪れるらむ」


こんな句を読んだら、今大僧正に、張り倒すぞ、なんて言われるだろうか。

過去を振り返れば、その時その時の、俺なりの桶狭間はあったのだとは思う。

あるときは織田信長、あるときは今川義元。

人生とは、勝ったり負けたり、それは相手であったり、自分であったり。

俺はもう信長のように若くはないが、もしかしたら将来、乾坤一擲の大一番が、訪れるかもしれないし、訪れないかもしれない。

それは分からないが、自分が信じた道を、歩んでいくしかない。


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