多くの犠牲者を出し、国土が焦土と化した先の大戦では、多くの日本人が敗戦の混乱で機能不全に陥った国家に頼ることもできず、独力でゼロから一つずつ新たに積み上げていき、今日の日本の繁栄を築きました。
「焼き場に立つ少年」
報道写真家ジョー・オダネル撮影
(1945年長崎の爆心地にて)
米国著作権法107条 Fair Use
米国著作権法107条 Fair Use
この有名な一枚の写真は、まさに戦後の焼け野原からの復興を目指した当時の日本人を象徴しています。
口を真一文字に閉じ、手の指を真っ直ぐ伸ばして直立する少年が背負う幼子は、「焼き場に立つ少年」の題名から分かるように、亡くなっています。
ここに一つの言葉があります。
他のすべてを失ったとしても まだ未来だけは残っている
When all else is lost, the future still remains.
アメリカの弁護士 クリスチャン・ネステル・ボビー
戦時中でなくとも、この現代で全てを失ったと感じることもあるでしょう。
しかしそのようなことがあっても、決して絶望せず、上を向き、今できることをコツコツと始め、時間を味方につけ、一歩ずつ着実に歩んでいくことを、この言葉から学び取りたいものです。
力強い言葉を拠り所に生きていくことは、絶望しない一つの方法ですが、楽観主義を学ぶことも絶望しない一つの方法です。
しかし、どんなに力強い言葉を拠り所にしていても、どんなに楽観主義でいても、待ち受けている未来が絶望的な状況の時もあります。
それは、関ヶ原の戦いで東軍に捕われた石田三成のような時です。
それでもなお、処刑直前の三成が、身体に悪いからと柿を食べるのを断ったように、最後の最後まで決して悲観せず、最善を尽くし、未来に望みを繋ぎたいものです。
未来に期待するのではなく、たった今この瞬間に全力を賭けるべきだと思いますが、
何もかも失っても まだ未来だけは残っている
という言葉を初めて聞いたとき、心を鷲掴みにされるほど感動したので、今回紹介させていただきました。
絶望の中に見る一筋の光のような名言です。
なおこの言葉の出典を、歌手のボブ・ディランとか、作家のロバート・ゴダードとしている人もいますが、実際はクリスチャン・ネステル・ボヴィーのようです。
またアメリカの発明家で、ロケットの父と呼ばれたロバート・ゴダードも似た言葉を残しています。
すべてを失ったときでも、まだ未来だけは残っていることを覚えておきなさい
Just remember, when you think all is lost, the future remains.
ロバート・ハッチングズ・ゴダード(Robert Hutchings Goddard)
生前のゴダードは、世界初の液体燃料ロケットを開発製造したにもかかわらず、周囲からは変人扱いされ、その業績を認められませんでした。
それこそ一筋縄ではいかなかったであろう当時の研究から産まれた実感のこもった言葉であり、この文句を頼りに己の研究に邁進したのでしょう。
そんなゴダードに喝采を送るとともに、この言葉を我々自身も血肉化し、人生の指針としたいものです。
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