2019/09/10

冒険をテーマにしたおすすめの児童文学書「はてしない物語」



画像 canva / Michal Bednarek


あなたにとって忘れられない一冊は何ですか?

と問われたら、間違いなく私は、ミヒャエル・エンデ作の小説「はてしない物語」を上げます。

映画「ネバーエンディング・ストーリー」の原作にもなった本書は、主人公が本の中の世界に入り込み、冒険していく物語です。

私は小学校六年生のときに読んだのですが、読み始めたらもう本当に止まらず、夢中になって本の中の世界を旅し、ページが終わりに近づくと、探検を終えてしまう悲しさを覚えたぐらいでした。

この本が家にあった理由は、兄が担当教師から勧められ、購入していたからでした。

そして、このときの読書体験を超える本に、それ以降出会えていません。

中学生のときに読んだ宗田理さんの本や、高校生のときに読んだシドニィ・シェルダンの本なども、間違いなく私の血や肉に溶け込んでいますが、少年時代に、夢中でページをめくった「はてしない物語」を超える本には出会えていません。


「早く読まないと大人になっちゃう」


これは、「少年少女世界文学全集 」に添えられていた帯のキャッチフレーズだそうですが、まさにその通りだと思います。


恐らく今読んでも、そこまで夢中にはなれないと思いますので、多感な時期にこの本と接することができ、私は本当に幸運だったと思います。

当時小学6年だった私は、さすがにもうサンタクロースの存在は信じおらず、そこまでウブではなかったと思いますが、このファンタジーは確実に私の心を捉えました。

そして、この読書体験があったからこそ、以後本の森へ分け入るようになったのだと思います。

また、あのような読書を再び経験したいという想いが今も何処かにあり、いやもしかすると、あのような経験はもうできないのだろう、という寂しさや諦めにも似た気持ちも心の何処かにあるのだと思います。

大人になってから読んだ本の中に、知的興奮を覚えるものや、精神の高鳴りを感じるものは幾つもありましたが、それらとは別の種類の体験だったような気がします。

そして、あの作品を超えるストーリーを生み出したい、という想いも、小説を書く際に抱いていたかもしれません。

小説を書くことになったのも、間違いなくこの本があったからで、大きな影響を受けており、私にとっては永遠に色褪せない名作です。

ドイツの作家ミヒャエル・エンデは、時間泥棒の「モモ」も有名ですが、是非ともこの「はてしない物語」をお薦めしたいです。

間違いなく、小学生や中学生が気に入ってくれる本であり、高校生や大学生の心にも、そして童心を持ち続けている大人にも、きっと響く物語のはずです。



紹介図書



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