2018/12/11

気の合わない職場仲間と付き合うときの心構えを考えてみます




andrea candrajaによるPixabayからの画像 




組織には、人事異動が付き物です。

その目的は、適材適所に人を配置し、組織のパフォーマンスを最大限に高めるためですが、話のネタとして最も盛り上がるのが人事異動とも言えます。

出向や転勤などの栄転や左遷は言うに及ばず、異動してくる人間の性格や能力などは誰しもが気になるところです。

アンテナの高い者は先回りして情報を収集し、その人物像を噂します。

このように、新しく加わる人間に興味を示すのは、其の者が周囲に軋轢をもたらすのか、それとも活力をもたらすのかが気になるからです。

それはまるで、化学反応で違う原子同士が出会う時に、水と油のようにまったく相容れない場合もあれば、酸素とある物質が結び付くと、熱や光のエネルギーを生む燃焼が起きることと似ています。

人間の身体も元素で構成されていることを考えれば、人の出会いと別れが、原子の結合と分離による化学反応と同じ作用が起きるのも当然と言えます。

では前置きはこれくらいにして、本記事の本題である、


「気の合わない職場仲間と付き合うときの心構え」


について話していきます。

とある会社の部署に、人事異動で新たな人間が配置されてきたと仮定してください。

そこにやって来たのは、誰もが認める優秀な男性社員Aでした。

Aは少し鼻持ちならない言動があったものの、他人のフォローも的確に行う頼れる社員であり、職場で存在感を増していきました。

この状況を以下の三人が不快に感じていました。


  • Aと同じ立場の同僚で、自分の存在が霞んでしまった男性社員B
  • Aに立場を脅かされる危険を感じた、プライドの高い上司C
  • Bの庇護者である、Cの上司D


職場でのAは協調性を欠くような言動はせず、むしろウイットに富んだ毒舌で部署を和ませていたものの、飲み会にはほぼ参加しなかったため、出る杭は打たれやすい日本において、格好の標的となりそうです。

ここで、BやCが不快に感じている原因は、自分にないものを持つAへの嫉妬や、自分が必要とされなくなる恐怖です。

特にBは、部署の飲み会を率先して開くことで顔を繋いでいたため、Aの存在がことさら面白くありませんでした。

給湯室で、女性社員がAのことを楽しそうに語るのを耳にした時、Bはいたたまれなくなってその場から離れましたこともありました。

嫉妬の念に駆られたBは、C・Dと結託し、Aを貶める計画を立てました。

とどこかの小説にありそうな話ですが、これと似たような状況は現実に幾らでも転がっています。

しかし、ここでBはAを排除することなく、積極的に接触を図るべきなのです。

水と油は、電気的な性質などの違いから結び付きません。

そして、水からしたら油は相容れない存在で、ベトベトした汚れにしか思えないかもしれません。

ですが、油という液体が、料理油や潤滑油で使われているように、一方で汚れになるものが他方では役に立っており、どんな人間にも評価できるところはあるものです。

ましてやAは仕事ができるのであり、Bはそこから学ぶべきところがあるはずです。

では、どうしてもソリの合わないAに対し、Bはどうすれば接触することができるのでしょうか?

水と油は、いわゆる洗剤である界面活性剤を媒介にすれば混ざります。

その理由は、界面活性剤の分子構造に、水に馴染む親水基と油に馴染む親油基の両方が存在しているからです。

職場における界面活性剤のような人間とは、ズバリ色々なところに顔が効くお局様です。

Bは職場のお局さまに仲を取り持ってもらい、Aと接触するのです。

そしてBは、徐々に親油基の構造を自らに備え、ゆくゆくは油の性質そのものを自らに組み込むのです。

そうすれば、Bは水にも油になれるのです。

それは決して、極上の水というスペシャルへの道を放棄することではありません。

混じりっけなしの純水が、栄養もなく美味しくないように、天然水やミネラルウォーターには様々な異物であるミネラル成分が溶け込んでいます。

これと同じように、水と油を自らの中で統合し、高い次元へと自分を押し上げるのです。

人間も含めた真核生物の身体の中には、ミトコンドリアという細胞が存在しています。

ミトコンドリアは、酸素を利用してエネルギーを作り出す重要な器官ですが、元々は別の独立した菌であったと考えられています。

約30億年前に、光合成で酸素を放出するシアノバクテリアが生まれるまで地球上に酸素はなく、酸素を使わない解糖系によってエネルギーを作り出していました。

その後、地球上に酸素が溢れ、細胞呼吸によってエネルギーを獲得する菌が生まれ、どこかの過程で、その機能を持たない宿主と共生したと考えられています。

やがてはその共生が一器官として組み込まれるまでに進化していきました。

人間の遠いご先祖様である過去の生物は、自分にない特質も持つ異物を取り込み、進化してきたのです。

我々も同じように、庇を貸して母屋を取られることに注意しつつ、異物を飲み込んで成長していくべきでしょう。

自分にとって性格が合わない人は必ずいます。そのとき「ALL  OR  NOTHING」の心構えではなく、良い点を見付け、それを自分の中に取り入れる工夫をし、そしてある時はさらりと水に流す潔さと、ある時は油のようにまとわり付く粘着性を、自らの内に備えたいものです。


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